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Posted by あしたさぬき.JP at

優勝の行方

2010年06月22日

 四国・九州アイランドリーグは前後期制。
 前期と後期に分かれ、それぞれ優勝チームが決定されます。

 2010年前期シーズンもいよいよ佳境に入り、優勝争いは高知ファイティングドッグスと香川オリーブガイナーズの2チームの一騎打ちが展開されています。

 首位・高知と2位・香川のゲーム差はわずか1。
 残り試合は高知が7試合、香川が4試合となっており、うち3試合が直接対決。
 雨で中止となった代替試合の日程がまだ決まっていませんが、どうやら28日にレクザムスタジアムで行われる可能性が濃厚です。

 仮に28日に試合が行われるとすると、高知は6日で7試合という過密スケジュール。
 ただでさえ体調管理が大変ですが、優勝のプレッシャーがかかった中、試合でベストパフォーマンスを発揮できるかが注目されます。

 高知の強みは投手陣が良いことです。
 吉川投手、野原投手を筆頭に好投手が揃い、チーム防御率は1点台で断トツの1位。
 ここまでの31試合のうち完封が7試合、1失点試合が7試合。
 5点以上を失ったのは3試合しかありません。
 チーム打率はリーグ5球団中最下位で長打も少ないですが、本日行われたNPBとの交流戦で3人の選手が本塁打を放つなど打線の調子は上向いています。
 安田選手や流選手ら俊足の選手が多く、足を絡めた攻撃を得意としています。

 一方の香川はチーム防御率はリーグ2位、打率は1位と攻守ともにハイレベル。
 オープン戦から調子の上がらなかった投手たちもようやく調子を上げてきました。
 主力選手が怪我で長期離脱した際に若手選手が力をつけ、チーム力は底上げされています。

 前期の優勝は果たしてどちらのチームになるか?
 直接対決が激アツです!  


Posted by しばちゅー at 23:08Comments(0)アイランドリーグ

日進月歩 日々是成長

2010年06月02日

 先週末、香川OGは徳島ISとの3連戦を1勝2敗と負け越し、開幕から守り続けてきた首位の座から陥落しました。

 主力選手が次々と怪我で離脱し、戦力的には飛車角落ちの香川OG。
 チームにとっては痛手ですが、レギュラー選手が試合に出られないということは、これまで控えに甘んじてきた選手たちにはチャンスでもあります。

 そもそもアイランドリーグという場所はNPBをめざす野球人のための修練の場です。
 試合に勝利するだけではなく、選手の成長の助けになる環境でなくてはなりません。

 香川OGの登録選手はリーグ規定上限ギリギリの30人。
 これだけ登録選手が多いと、監督もチャンスを全員に与えることはなかなか難しいものです。
 優勝を目標にするのは当然のことですが、勝利を優先するとどうしても選手起用が偏り、控え選手が試合に出る機会が減ってしまいがちになります。

 若手選手に出場機会が増えることは戦力の底上げとなり、長期的に見ればチームにとってプラスになるはずです。

 先日のアグリあなんスタジアムでの試合の後、香川のファンが「勝てなかったので、つまらない試合だった」と言っているのを耳にしました。
 確かに応援チームが勝った方が気分は爽快ですが、勝敗結果が野球のすべてではありません。
 大量リードを許した3回以降、しっかりと戦術を切り替えて試合に臨んでいましたし、それなりに見所のある試合でした。

 勝率が7割あれば非常に強いチームといえますが、逆に言えば強いチームでも3割の確率で負けてしまいます。
 打率が3割の打者を無安打に抑えるのは当然のことでしょうか?
 10試合観戦して、うち7試合しか楽しめないのでは損な事です。


 先日、東京六大学野球の春季リーグで慶大が優勝し、江藤監督のコメントが新聞などで紹介されていました。

 プロの指導者よりアマの指導者の方が面白い。選手たちが日々目に見えて成長する。

 独立リーグは一応プロ野球ですが、技術的には未発達の選手ばかりです。
 新人選手になると、野球の指導らしい指導を入団まで受けたことがない選手だって珍しくありません。
 香川OGから東京ヤクルトに入団した三輪選手、千葉ロッテに入団した生山選手などはまさにそんな境遇でした。

 応援する選手が日々成長するのを見守り、いつか巣立って行くのを見届ける。
 独立リーグならではの野球の楽しみがあります。

 負け試合だからと目を背けず、選手たちのプレーを目に焼き付けてください。
 選手たちが成長を遂げたとき、何倍もの感動を味わうためにも。  


Posted by しばちゅー at 22:52Comments(0)野球全般

得点効率について

2010年05月16日

 昨日の香川オリーブガイナーズVS愛媛マンダリンパイレーツの一戦は3-0でガイナーズの勝利でした。

 3-0という試合結果だけを聞いた人は締まったいい試合だったという印象を受けるかもしれませんが、球場で試合観戦をしていた人間はまったく違った印象を持っているでしょう。

 残塁数は両軍合わせて20。(香川11、愛媛9)
 9回の裏を除くと毎回ランナーが出ています。
 両チームともに粘り強く守ったという見方も出来ますが、どちらかというと攻め方が中途半端だった印象が強いです。

 特に香川は12安打を放ち、四球3つ、失策による走者が2人と進塁がひとつ。
 7~8点くらい取れていた数字です。

 アメリカには野球学会の測定基準(セイバーメトリクス)というものがあり、試合データを客観的に分析する指標がいくつもあるのですが、その中で得点貢献度(RC)というものがあります。
 安打・四死球・盗塁・犠打などの数字から導き出され、本来は選手個人のシーズンを通じての得点力を計る数字ですが、チーム全体の得点力を計ることも出来ます。

 ちょっと複雑な計算式なので紹介は省きますが、昨日の試合だと両チームのチームRCは

   香川OG  5.54
   愛媛MP  0.79


 つまり香川は5~6点、愛媛は0~1点の得点力があった、という計算結果になります。
 この公式には失策が含まれていないので、3つの失策を考慮に入れると香川の得点力は6.60。
 香川の実得点は3点ですから、得点効率の悪さが浮き彫りになります。

 とはいえ、野球はグラウンドで起こることがすべてです。
 セイバーメトリクスは机上の数字でしかなく、目安にはなっても試合結果が導き出されるわけではありません。
 ただ、そういう物差しを持っておくと野球というゲームを色々な視点から見られるので、便利なツールではあります。

 こうしたデータと球場で受けた印象を交えながら、野球の奥深さを語るのがこのブログの趣旨になります。

 本当はもっとプレーに触れて、どこで流れが切れたのかを書く予定でしたが、そろそろ出発しなくては大洲の試合に間に合わないので、今日はこの辺で。  


Posted by しばちゅー at 09:41Comments(0)野球と算数

五人抜きジャンピングスロー

2010年05月06日

 今日は、四国・九州アイランドリーグについてもっと知りたい!という方にお薦めのブログを紹介します。

 五人抜きジャンピングスロー

 リーグ初年度から取材を続けてくださっている、スポーツライター高田博史さんの書かれているブログです。

 白熱のプレー。選手やスタッフの想い。
 観客席からは見えない現場の出来事をリアルに伝えてくれます。

 ぜひご覧になってください。  


Posted by しばちゅー at 21:50Comments(2)

同点の最終回裏、無死1・2塁

2010年05月04日

 昨日レクザムスタジアムで行われた香川オリーブガイナーズVS高知ファイティングドッグスの一戦を観ながら、頭の中をよぎった試合のシーンがあります。



 昨年9月に高知ファイティングドッグスと長崎セインツとで行われたリーグチャンピオンシップの第2戦。
 正午に開始したこの試合は9回を終えて4-4の同点。
 アイランドリーグの公式戦には延長戦はありませんが、チャンピオンシップの試合規定により試合は延長にもつれ込みました。

 その後も両チームの投手が好投を続け、延長15回へ。
 午後5時を回り、小雨の降る空はすでに暗く、ナイター設備のない高知球場では実質的に最終回です。
 その15回裏、先頭の龍央選手が2塁打で出塁すると、続く梶田選手は敬遠気味の四球。
 無死1・2塁となり、ここで代打・大西選手が登場しました。



 さて、昨日の試合の9回裏に話題を変えます。

 9回の裏、スコアは3-4でガイナーズが1点を追う展開でした。
 先頭の金井選手が四球で出塁し、続く藤嶋選手の安打で無死1・3塁。1塁走者に代走・枡田選手が送られます。
 バッターは前の打席でホームランを打っている国本選手。ネクストバッターサークルでは大松選手が準備していました。

 国本選手への2球目が暴投となり、3塁走者が生還、枡田選手も2塁へ進塁。
 カウントが2ボールナッシングということもあり、国本選手は敬遠気味の四球。
 同点の9回裏、無死1・2塁というシチュエーションの完成です。

 打順は9番・甲斐選手ですが、ここで告げられた代打は大松選手ではなく、上ノ下選手。
 ドッグスベンチも動き、一塁手を林選手から今中選手に変えてきます。
 林選手はもともと俊足の遊撃手。この試合も代走で途中出場していました。

 上ノ下選手は送りバントを試みますが、2球ファールの後のスリーバントは一塁寄りの強いゴロ。
 チャージしてきた今中選手から3塁に送球され、2塁走者が封殺。
 ランナーが入れ替わりワンアウト。
 1死1・2塁となりました。

 この後、大原選手が死球で出塁し1死満塁となりましたが、後続が倒れゲームセット。
 4-4の引き分けに終わりました。



 再び去年のチャンピオンシップ第2戦の話をします。
 15回裏、無死1・2塁で代打として打席に立った大西選手ですが、初球に送りバントを決めました。
 1死2・3塁から8番・飯田選手は敬遠気味の四球で1死満塁に。

 この後、代打のオ・ムヨル選手のバットから代打サヨナラ満塁ホームランが産み出され、アイランドリーグ史上最も長い試合が最も劇的な形で幕を閉じました。



 同じ最終回1死満塁というシチュエーションから勝ったドッグスと、勝てなかったガイナーズ。
 その差はシチュエーションに至るまでのプロセス、無死1・2塁での送りバントの場面に収斂します。

 野球というゲームには流れが存在し、ワンプレーでイニシアティブが変わります。
 昨日は無死1・2塁の場面ではガイナーズに試合の主導権がありましたが、戦術どおりに送りバントを決められなかったことで精神的優位が消失してしまいました。
 チャンピオンシップのドッグスは無死1・2塁からきっちりと送りバントを決め、流れを手放すことはしませんでした。



 昨日の試合は、ワンプレーでゲームの結果が変わる野球の面白さが見られた試合ではありました。  


Posted by しばちゅー at 08:48Comments(4)野球全般